「潮干狩り行こう^^」
釣り友からそんなお誘いを受けて二つ返事でOKをした私。
潮干狩りなんて何年ぶりだろう。いつもは太平洋上で魚を釣ってる私も、たまにはぽかぽかした太陽の下まったり貝を採るのも悪くないと思ったのだ。
「現地まで船だから^^」
え?ふーん、船で行くの?秘密のプライベートビーチとかかしら?ワクワク。
そうして私は当日船へと乗り込み、東京湾の海上へ出たのであった。
これ潮干狩りって雰囲気じゃねーぞ
この日は風が強く波も高い。荒波に揉まれながら東京湾の海上を進む一行。すでにゲロを吐き始める仲間の姿も。
私はいったいどこへ行こうというのか・・・
ここで参加メンバーの装備を見ていただきたい。
滲み出るプロ臭である。確かに普段の釣りでは皆ソロでランカーシーバスを楽々釣り上げるほどの猛者揃いではある。
ここで私の装備を見ていただきたい。
ピクニックかな?
だって秘密のプライベートビーチでぽかぽか陽気に包まれながら貝を掘るつもりだったのだから仕方がない。
さらに小一時間船に揺られて(本当にグラグラ揺られて)行くと・・・。
船長「着いたよ!船から降りてどうぞー!」
お、ここが目的地なのか・・・
え、海だよ?
見渡す限りの大海原。
まさかの海上ど真ん中で降りる指令が発せられたのだ。
陸地は遥か遠く・・・。ここは紛れもない海上である。
私が呆然としていると・・・
意気揚々と海中に身を投じていく猛者たち。
銛を刺すと確かに足は着きそうである。
ええーい、ままよ!!
船長「あっ」
船長「エイに気をつけてね」
先に言ってよー!!!
エイを殺るかエイに殺られるか。それが東京湾最強の沖潮干狩りなのである。
足元に潜むエイを銛で威嚇しながら進んでいく。
銛を地面に軽く刺しながら慎重に進む。
すると銛の先に固いものがカツンと当たることがある。手を砂中に深く入れて正体を確かめると大抵は牡蠣殻かハマグリの殻である。
しかしたまにヌルっとした貝殻がある。
それはつまり・・・
当たりである。
この、当たりがぼろんと出てくる感触は病みつきになる。
やばいこれは楽しいぞ。
エイのことなんか忘れてひたすら掘り続ける。
いつの間にか船が座礁してた。
どうやら干潮が進んでいるらしく水位がいつの間にか下がっていたのだ。しかし予定通りとのこと。
つまりこのあと再び潮が満ちてきて水位が元に戻るまで帰れない。
船長「エイにやられても帰れないからねー!ははっ」
陽気だな!
猛者たちも夢中で貝を掘る。
いつの間にか干潮が進み、イメージしてた感じの潮干狩り風景がようやく訪れた。
貝が大量・・・大量じゃあ・・・
4〜5時間ほどして水位が再び戻り、無事帰路へ。
獲物は超大型のハマグリを中心に袋いっぱい。こんなにハマグリにまみれたのは初めてかもしれない。
これは友人の戦果。
東京湾の潮干狩りは予想を超えたアドベンチャーに満ちていた。
あの大都会に住んでいながらこの身近な冒険を楽しまない手はないだろう。
春〜初夏のうちが旬らしいので、ぜひ挑戦してみてほしい。
※場所によっては採取が禁止されているのでちゃんとルールは守りましょうね。