うまい魚の情報は多いがまずい魚の情報はあまり出回っていない。
なので私が独断と偏見で「まずい！」と思う魚を５種選んでみた。
まずい魚 第５位 イサキ
意外に思う人もいるかもしれない。
イサキといえば高級魚の一種で美味しい魚のイメージがあるが、それは主に白子の話。
身は非常に淡白な白身であり、磯魚なのでほんのり磯臭もあるため素人が釣ってきて刺し身にしても「高級魚っていわれてるわりにうまくないんだが・・・」
となりやすい魚。
ただし寿司屋や料亭でプロが熟成させて調理したイサキはうまいので、調理技術によって化ける魚といえる。
まずい魚 第４位 スズキ（シーバス）
釣りのターゲットとして大人気のスズキ。
しかしそれは掛かったときの引きの強さやエラ洗いによってスリリングな駆け引きが楽しめる、いわゆる釣り味の良さの話であって、実は釣れたシーバスを持ち帰る人は少なく、リリースされがちな魚である。
身の味は淡白そのもので、味という味が無い。
その上ボラなどと同じで水質に臭いが影響されやすいので、産地によって臭みが強い。
食べる場合はムニエルが良いとされるが・・・あえて食べるほどでもないという印象。
昔は食用として非常に重宝された魚であったというが、おそらく淡水でも短い間であれば活かしておけるので鮮度を保って流通させやすかったのと、数が捕れて大型なので戦後のタンパク質不足を補うのにちょうど良かったなどの事情があったのだと思う。
飽食の現代ではあえて食べるほどでも・・・という印象。
魚屋などでもたまに見かけるが大抵売れ残っている。
まずい魚 第３位 イナダ
イナダとはブリの若魚のことである。
ブリなら美味いじゃんと思うかもしれないが、まだブリになっていないこのイナダの味はまったくの別物。
成熟しておらず脂のノリが悪いため身は淡白な白身そのもの。
煮ても焼いてもパサパサしており、生で食べてもただプリプリしてるだけの魚肉といった印象。おまけに青魚特有の臭いはしっかりとある。
スーパーのお刺身コーナーでも破格の安さで売られている魚。
イナダ、そしてそれが少し大きくなったワラサの刺し身がサクの状態になって激安価格なのはスーパーあるある。
私の友人もイナダだけは持ち帰ると嫁にキレられるので捨てると言っていた。
ただ養殖もののイナダは別である。
養殖ものイナダ──関東では天然物と区別してハマチと呼ばれることが多いが、これは脂が乗っていて十分うまい。回転寿司などでハマチとして並んでいる物も養殖ものだ。
脂のノリに左右されやすい魚ということだ。
まずい魚 第２位 コノシロ
コハダというのは有名な光り物の寿司ネタだが、このコノシロはそれが成魚になってしまったバージョン。
どこにでも大量に湧き、そして貪欲に仕掛けを食ってくる。
ジグなどに体当たりをしてスレがかりすることもあって非常に釣れやすい魚だが、リリースされることがほとんどだろう。
理由は小骨の多くて食べにくく、臭みがあり、ヌルヌルしすぎなため。
寿司ネタのコハダは幼魚であるためその小骨の多さも気にならないが、成魚ともなると手のつけられない（歯が立たない？）ほどの骨となる。ニシンの仲間なので仕方がない。
酢じめにすることでそれをいくらか解消して食べることはできるが・・・それならサバを締めたほうが美味しいよねという感じ。
まずい魚 第１位 大鯛（大きい鯛）
鯛といえば魚の王様と言われるほど美味い魚のイメージが強いが、デカすぎるキングは別。
鯛は成長しすぎるほど脂がなくなり、身がパサパサしていく。
５０センチを超えるとその傾向が顕著となり、まさに煮ても焼いても食えない魚となってしまうのだ。
おまけに骨は元々大きく太いのでそれがごん太レベルに成長し、鱗も凄まじいのではっきり言って調理する苦労に見合わない魚といえる。
そもそも鯛という魚自体が調理の難しい魚でもあり、素人がなんとなく刺し身にして美味いと感じるのは難しい。
しっかりと熟成させたり調理をすることでその真価が発揮され、まさに魚の王様にふさわしい味わいとなるのだろう。
まずい魚ランキングをしたけれど
以上が私が思うまずい魚TOP５である。
うまい魚については記事が多いのにまずい魚があまりないのは、「イサキ美味いって！こいつわかってねえなあ」みたいな批判を浴びやすいからだろう。
味覚は人の主観が大きいものなので、そこはご容赦してほしい。
基本的に魚は味を濃くつければ何でもそれなりに食べられるけど、釣りをすると色んな魚を口にすることになるから、期待したわりに食べてがっかりというケースが多いんだよな。
